ヤマカンこと山内勘三郎(小説での名前)

実録シリーズ?・凶悪連続強盗殺人犯


前列中央が凶悪犯「亀」
明治40年逮捕された当時の写真・亀の左は、前宇和島警察刑事(当時松山警察刑事)前野玄造
ほか大洲警察署の面々。(これは映画のスチール写真に非ず)


 慶応2年、愛媛県喜多郡新谷村(当時)に生まれる。

 14歳より非行の道に走り、明治20年、7ヶ月の刑を受ける。明治24年強盗で逮捕され13年の刑を受け、明治34年大赦に因り減刑、刑期満了。明治35年3月強盗傷人の罪で、無期徒刑の判決。大牟田三池集治監に移送中、列車より脱走。

 これ以降、愛媛県大洲、宇和島署管内の山村で多数の凶悪事件を起こしながら、情婦2名を引き連れ長浜の寺に潜む。捜索を察知した彼は、逮捕に向かった巡査を殺害し、以後山中を逃亡しながら連続事件をおこす。その際情婦2名と別れるが、後1名を密かに連れ戻し、山中を転々と逃れる。

 明治40年8月30日、宇和島警察松丸分署で情婦逮捕。同年9月10日午後9時50分、新谷にて逮捕される。
明治40年10月14日、松山地方裁判所で、殺人、故殺未遂、強盗、婦女暴行罪で死刑判決。

その後いずれも上告棄却。明治41年8月24日午前9時15分、広島監獄で死刑執行される。
※注・小説での名前は仮名です。本名はI.K.です。

(西村望・著「無宿人の墨縄」より引用)
※西村望=西村寿行の兄さん、1926年香川県生まれ。代表作「消えない炎」(毎日新聞社刊)
 「丑三つの村」「鬼畜」等々。クライムノベルという実録犯罪をテーマにした作品多数。

文学的な価値観は別として、佐木隆三のような感じか。吉村昭氏が実在のテーマとして、人間の持つ陽の部分を引き出すのとは対照的に、人間の陰の部分を極限まで引き出そうとする気がする。人によって好き嫌いがあるだろうが、最初に「消えない炎」を読んだときには、あまりのおぞましさに衝撃を受けた。作品群の中にはあまり面白くないものもあるが、時間を忘れさせる作品が多い。特に四国地方で起こった事件がテーマに多い。異色作品では、日本占領時代、台湾で起こった高砂族反乱霧社事件を描いた「もう日は暮れた」(徳間文庫)がある。

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