津村 寿夫(つむら ひさお)

本 籍 愛媛県宇和島市妙典寺前
生年月日 明治31年(1898)4月19日
没 年   昭和44年(1969)3月19日(享年70歳)

宇和島市大浦甲43番地

経歴並びに著書

一、津村は宇和島藩下士の子孫で、尋常高等小学校卒業後、宇和島青年団を組織
  団長などを勤めた。
一、大正中期、南豫時事新聞社記者を経て、昭和初期、日刊宇和島日々新聞を創刊、経営する一方、全国紙、大阪毎日新聞(現、毎日新聞)嘱託記者も兼務した。
日刊宇和島日々では「伊達陣十郎」のペンネームで市政批判などで健筆を揮った。
その間宇和島市議(民政党)に出馬し、議員活動でも活躍した。
一、昭和17年(1942)、大東亜戦争(太平洋戦争)による新聞統合(統制)
で宇和島日々を廃刊。旧満州チチハルの国策会社、西満州電業会社の役員として渡満、戦後引き揚げた。
一、昭和初期から新聞経営の傍ら、郷土史に興味を持ち、当時の伊達図書館館長兵頭賢一氏に師事、宇和島藩の膨大な資料や文献に取り組み、それを基に戦後いくつかの著書を刊行、その一方で、旬刊紙、愛媛魁新聞を発行した。
 主な著書は次の通り。
@「七十年を顧みて」(昭和二十九年・宇和島運輸株式会社社史)
A「宇和島・吉田両藩騒動史」(昭和三十一年・宇和島魁新聞社刊行)
B「南予段々畑の由来」(昭和三十一年・愛媛県農村振興連盟発行)
C「宇和島藩経済史」(昭和三十七年・愛媛魁新聞社発行)
D「宇和島市史」(原稿未刊)(宇和島市役所所蔵)
E「宇和島の明治大正史」(前編)(昭和43年・泉山草房)
F「宇和島の明治大正史」(後編)(昭和43年・次女大内須寿子名義で遺稿出版)

津村氏は戦後社会の激変のなかで、後世に「自己の知りうる郷土史」を残しておきたいと考えていたようである。とりわけ晩年には異様なほど意欲を燃やし、乏しい資金事情のなかで、何冊か自費出版した。例えば「宇和島藩経済史」や「宇和島の明治大正史」などがそれである。ただし「宇和島の明治大正史」の前編を見ただけで没したのは、自他共に惜しまれるところで、没後、後編は遺稿を家族がまとめて出版した。
津村は「宇和島の明治大正史」の出版にあたり「世はまさに明治百年となった。新しい時代のために『温故知新』の情を燃やすのも決して無意義ではあるまい」と目次の序文で書いている。

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