文久二年(1862) 魚づくし評判記 


尾張の川魚 大海の魚に交わりかたし
紀州の田作 魚の数のみにて取に不足
水戸の人魚 誰にも味がわからぬ
加洲の鯛 うまくもなくまづくもなし 
薩州の鯨 動き出しては大さわぎ
仙臺の■ 大魚の名のみにて實意しれず ■魚偏に翁
熊本鰐の子 成人の後は恐るべし
福岡  鯨が二つ付て大漁
藝州馬鹿のむき身 魚の数に足らず
鍋島の鰐 呑みもするはねもする
長州の鮃 作り身にしては鯛につゞく
藤堂の● 背に針あり   ●魚偏に及 
因州の初鰹 皆人がすく
越前正覚坊 酒を飲む斗
土佐の鰹節 なくてはならない
会津うなぎ 別段の味あり
阿州あなご ずるずるしてもうなぎ程味がない
有馬の黒鯛 人の糞を喰ひ魚を追ひ廻して人にいやしめられる
雲州の赤蝦 味はよろしからず雖然尻に鎗あり
上杉の鱈 北海の魚にて甚よし然れども人知らず
宇和島の鯱 大魚も恐るべし
田安池の魚 大海へ出てはうろうろする (一橋家、清水家と並ぶ徳川一門の三卿)
一つ橋の鯉 今にも天上をしよふとしれず
久世車海老 味はあれど骨がたらない (老中 久世広周−ひろちか)
安藤南風にわた魚 腹わたがくさって居る  (老中 安藤信正)
公儀役人海月 眼もなし骨もなし
紀州臣ふぐ 毒あり不喰
尾州竹腰きこ魚 ひれに針あり
國主の臣 まな板の鯉覚悟を極めて居る

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